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すべてが懐かしいという大雑把なくくり方はしたくないものの 壁の色も お皿の模様も 林檎がぼろぼろとなる大きな木も 手漕ぎの舟も 夏の日差しも 日焼けした水着のあとも 懐かしかった 朝露で濡れた芝生のうえを裸足で歩くと 草の温度を足の裏に感じた そのことをずっと忘れないでいたい