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昼頃に目覚めて朝食と言いながらシリアルを食べた 保管が悪くかなり湿気っていたので 牛乳をたっぷりかけて びちゃびちゃにしたのを飲むように流し込み 傷んだ苺を3個食べた どうしてすぐ傷んでしまうんだろう
散歩に出たら太陽が燦々と輝き やたらと暑く 誰も外を歩いていなかった 暑すぎるのだ 仕方ないので家に戻ると ちょうど郵便配達人がベルを鳴らすのを諦めて 門を離れたところだったので 走って荷物を受け取りに行った 先月 アルザスに住む従兄弟に頼んだ雑貨が届いたのだ 頼んでいた菫の砂糖漬けがない代わりに 菫の刺繍が施された花瓶敷きが入っていた 税関で没収された形跡はないので 恐らく見つからず代わりの品を送って寄越したのだろう 用途はまるで違うけれど なかなか洒落ていて可愛らしい それから本が2冊 以前訪れたときに忘れてきたネックレス 趣味が悪い土産物のTシャツ 木で出来た家鴨の玩具など
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こんな夢を見た(聞いた話2/2)
仕方ないので 次で降りようと荷物をまとめていると ことの外すぐに停車した 田舎では駅間がやたら長いものなのに珍しい 田園風景のなかにある停車場は木造で 自動改札機も当然なかったが 駅係員は3人もいたので 間違って違う所へ来たと事情を説明することにした
すると係員の若い女は こともなげに 間違いですね ええ 大丈夫ですよ こちらで処理しますからと何やら証明書を発行すると言い 奥へと入ったいった 故里の言葉ではなかった 別の駅係員の男にここはどこなのか 故里の○○を目指していたが 途中で路線が変わってしまった 同郷の知人もいたが あの人たちは間違えて乗っているのではないのかと聞くと 停車場の名前をそのまま答え 彼らは間違っていない と言った
さて 夢の話はここで終わっている 本人曰く「鼾で目が覚めた」そうだ よく聞く話では 今際の際にある人は 自分の意思で動かない乗り物に乗っており 降りたくとも降りられず不本意なところへ向かうとか 川べりを歩いていたとか話す (祖父の場合は馬車だった 目覚めてから行き先変更出来なかったと嘆いた彼は 数日後に死んだ)恐らく彼の場合はまだその時ではなかったと考えられるし 他者から 米=生きる糧 を与えられた ということは 食うに困らぬという有り難い予感さえある
但し この文章は全て創作である
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こんな夢をみた(聞いた話1/2)
汽車に乗り故里の村を目指している 北国の最果てにある終点の駅が最寄り駅であり 一日朝夕二本ではあるが乗り換えなしで行くことが出来るので 座席に座って景色を眺めているうちにうとうとと眠ってしまった
ふと 汽車が大きく揺れたので眼を覚ますと 分岐点で汽車が方向転換をしていた おかしいな 以前はこちらの線に入らなかったのだけれど もしかするとしばらく乗らない内に 迂回するように変わったのかもしれない 周りの乗客も変わらず談笑を続けているので いつものことなのだろう 気にせず微睡んでいると 隣の席にいた老夫婦がなにやらずっしりした紙袋を持っていけとしきりに勧めてくる 有り難く受け取って中を見ると 真っ白に精米された米が入っていた どうりで重たいはずだ
しかしその人々の顔に見覚えがある 随分と昔に死んだ近所のおじいや 隣親戚のおばさん 子供のときに木から落ちて死んだ友達 いったいどういうことだ?
停車したときに駅名を見ようと外を見たら まったく知らない駅名が表示されているではないか 慌てて降りようとしたが 米やら何やら荷物が多くてすぐには立ち上がれない そうこうしてる間に扉は閉まって再び汽車は走り出してしまった