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冬服を洗って茶箱へしまい込んだ 銀色のトタンのうえに並ぶ色とりどりのウールのセーター 毛玉を取りながら 一生物のウールのセーターなんてのはないんだろうと漠然と思う 年に数回着て 洗うのも一度だけだとして それを一生物なんて言うなら なんとなく勿体なくて でも 着倒して薄くなった肘とか 伸びきった襟ぐりとか どんなに高いセーターでも仕方ない