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窓を開けると爆竹が聞こえ 硝煙の匂いがした
がらん がらんと 大きな鈴 或いは銅鑼のような 不思議な音が鳴る楽器の姿を 未だに見たことがない 此処に住んでもう何十年も経つのに

暗い外を見れば 遥か遠くに松明が燃えていた 男たちの掛け声は風に乗り 余所者たちの暮らす振興住宅街にも響き渡る 春の夜はやさしい
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