Entries from 2021-07-01 to 1 month

1627

どうせ寝るためだけに帰る部屋なので やたら大きいふかふかのベッドが欲しい そして テレビは要らない 帰宅したときや ホテルの部屋に入ったとき まずテレビの電源を入れるのがよくわからない そうすることが特殊とは思わないけれど 自分ではもう何年もリモ…

1626

さっき伝えた「好きよ」の メッセージは「かしこ」みたいなものなので そんなに深く考えないでいいし あの人のことはアイスクリームと同じくらい好きなので それがどのくらいなのかっていうのは それぞれのさじ加減で そんなに大事なことじゃない

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疫病が流行って それでもよく食べ よく眠る子供たちは少しも病むことなく すくすくと育ち 一方で 恋人は死に至る病に罹った どうにも出来なかった わたしが彼にとって百点満点の答案用紙や優勝杯であったとしても それを伝えたい人がいなければ 意味がなかっ…

1624

誰かの愛人に会った わたしの旧い友人であり 昔の恋人であり 血の繋がらない兄弟であり 知人の夫であり 知らない女の愛人でもある男だ わたしたちは同じ年 同じ月の同じ日に生まれた 彼は朝の7時に生まれ わたしは夜の7時に生まれたから 少しだけお兄さん…

1623

冷凍庫の前にちょうどセフレが立っていたので アイスクリームを買ってもらった セフレと言っても何度か寝ただけで 最後にしたのももう何年も前のことだ 日頃 煙草やお菓子を買ってと強請るのはみっともないと思っているのに たまに甘えたくなってしまう そん…

1622

一体わたしは誰のために生きているんだろう あなたはわたしの生き甲斐と言われても わたしの生き甲斐はあなたではないわけで あらゆる煩雑な 些細な事柄(それらは服についた草の実 あるいは指に刺さった小さな棘のようなものだ)を ひとつひとつ対処してい…

1621

黒いシャツが色褪せてきたので 染め直しをしてみたのだけど 染まったのは自分の指先だけだった 爪の中まで黒くなってみっともないのに シャツはあまり変わらない 骨折り損のくたびれもうけ

1620

ガラスの皿が届いた フィンランド製の麻色の小さな器 光に透かすと なぜか少し紫がかって見える 木の卓のうえでは 黒っぽいような 白いきれの上では生成りのような 不思議な色だ 昔 居候していた北欧の国のうちでは それほどガラス製品を使った覚えがない そ…

1619

脛に傷 が あることを忘れていたのか 傷とも思っていなかったのか 王道を批判していたはずが 呼ばれればのこのこ喜んで出て行って なんなんだろう 石を投げることはよくないけど 石を投げてたやつを 讃えるのもなんだかな わたしは執念深い人間なので ××され…

1618

束の間の連休が始まった 流行病さえなければ この時期はバカンスへ出かけているはずだったが仕方ない 海へいくことも難しいだろう FBに山林での野宿を誘われたが 蚊が嫌なのでそっと断った 先日は少し炎天下を歩いただけで 翌日まで疲労が続いたので 暑さも…

1617

久々に出先でラーメン屋へ行った 昼時の人気店とくれば当然混んでいるから 持ち時間が20分強しかない状態で行くのは賭けのようなものだったが 料理の性質と客層から回転率を見越して 食券を買い 炎天下ではあるが店の前に並ぶことにした 予想通り5分ほどで呼…

1616

身体は山本直樹氏の描く女の子 と 烏滸がましいことを書いたけれど 顔といえば誰と似ているとも言われない 沖縄に行けば うちなーと間違われ ベトナムに行けば出国審査で国籍を疑って止められ 台湾に行けば 你好と挨拶されることを思うと 大和撫子という顔立…

1615

もう随分とむかしのことだけど わたしを抱いたひとが 身体を見て 山本直樹氏の漫画に出て来る女の子のようだと褒めてくれたことがあった 連合赤軍や社会問題を取り上げた話ではなくて ただひたすらヤッている方の女の子のことだ エロ漫画に出て来る女の子は …

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ヘアゴムのゴムが切れたので 新しいのを出した 3本入りのはずが どうして1本しか入ってないのかしらと思っていたら 前に買ったものより太いゴムだったのだ そういえば すぐ伸びてしまわないようにと太いのを選んだ気がする とりあえず括ろうと指をかけたら…

1613

コーヒーショップのプリカをもらった 幾らあるか知らないけど という 有難く頂戴して 何を頼もうかしら 奮発して生クリームやチョコを追加しようかしらとどきどきしながら 注文前に残高を確認してもらったら ブラックコーヒー一杯分しか入っていなかった 足…

1612

まだおろしていない新しい器を楢木の卓に並べて眺めながら 何十年か前もこうして遊んでいたということだ 植木鉢の水受け皿や 割れた茶碗を拾ってきて 畑のなかでひとりで遊んでいた 大人になり働くようになって 自由に使えるお金が少しは出来て 好きな器を買…

1611

ハムエッグ トースト 午後から雷雨 晴れ間に駅まで歩いた 宵山 いや宵々山だったか 2年続けて祭りへ行かれないので だんだん季節がわからなくなる スーパーへ行くたびに鱧を買おうと思うのに 値段を見て諦める 鰻も然り せいぜい枝豆と発泡酒ではない麦酒を…

1610

対話をすること 自己啓発本を眺めて満足するのではなく 他者の意見を聞くこと 何でもかんでも受け入れる必要はないので まずは違う視点で物事を俯瞰するきっかけを手に入れること 出来れば相手は自己肯定感が高く 物事を頭ごなしには否定しない人が良い 空家…

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死んだあとのことなど わりとどうでもいいのだけど 残されたモノを考えると あまり迷惑をかけたくないと思うし 始末に困るので 少しずつ処分するしかない 服や靴はそれほど多くないし 燃えるごみか資源ごみ またはリサイクルへ出せるし 少ないけれど貴金属類…

1608

雨が上がったので外へ出た 畑の緑が眩しい 湿ったあぜ道を歩くと 真っ赤なグラジオラスの花が目に刺さり 正しい色彩を思い出させられたような気がした ディスプレイの中で表現されたのではない天然色 刻一刻と変化してゆく世界の色彩のことを

1607

催事場の物産展へゆく このところ 急に休業になったり 時短営業になったりするせいか 前より生鮮食品が減った気がする まず食べ歩き出来る店はない わたし自身は食べながら歩くのが嫌いなので無くても良いが やはり雰囲気がない 持ち帰りが出来るなら並んで…

1606

Mは部屋に入るなり靴下を脱ぎ きちんと二足合わせてくるくると丸めて はぐれないようにしてからソファに投げ捨てた 子供のときからそうしているのかしらと思うと 180cmの大男が少しばかり可愛く見えた 浴室でMの身体を洗いながら わたしは父のことを思い出…

1605

くるくるの黒い巻き毛 ブルージーン そしてTシャツはソニックユースのバンドTを着た若い男の子 細くて背が高くて まだきっと10代だと思う それなりに頭が良くて ガールフレンドじゃない女の子の友達が何人か定期的に入れ替わってそうな感じで シャツはアル…

1604

もう長いこと 砂の上を歩いていなければ 落ち葉が積もった柔らかい土を踏むこともしていない リノリウムの床は 冷たいのに少しだけ人の気配がするのは 小学校の廊下と同じだからかもしれない 教室は木の床張りだった 今はどうなっているのだろう 何年か前に…

1603

踵の修理に出していたパンプスが直ったとの知らせ 毎日 履き回す靴は玄関で何足も控えているけれど すぐ迎えに行くことにした リフトの交換だけなら 何足も 何十回も出してきたけれど ヒールを取り替えるのは2回目だった もう一足は10年履いたブーツだ パン…

1602

ラブホに忘れ物をした 生の車海老だ 愛人がまだ生きているのをもらったと木箱を少し開けて見せびらかし ベラベラ蘊蓄を語り出して煩いので 横に退けてさっさとことに及び 終わって 最寄りの地下鉄で見送ってからふと思い出し 「車海老は?」 とLINEを送った…

1601

体育が嫌いなので 当然 運動会も嫌いだから 他人が運動しているを観るのも興味がない 四年に一度でも 百年に一度でも同じことで 同じ国籍だから応援するとか 活躍を見ただけで励まされるとか それほど単純でもない 国と国が名誉 時には富もかけて争うのに何…

1600

午後 歯科医へ検診に行った 毎度のことながら自分の歯並びの悪さにはうんざりする 子供の時から何度も歯列矯正を申し出たのに聞き入れてもらえず(というのも 噛み合わせには問題がないからなのだが) 今に至り 最近はマウスピースの矯正もあるじゃないの そ…

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ふたりで行った海辺のレストランは閉店してもう何年も経つけれど いつか訪れた山奥のダムは わたしたちが生まれた頃に造られたから 生きている内は無くならないでしょうね あなたはもう どうしてその場所を目指したのか憶えてはいない いいえ はじめから知ら…

1598

身体を使って稼ぐよりも 頭を使って稼ぎたい たとえ同じように擦り減るとしても 身体を使った方が楽だとしても (頭を使ったって身体も使うわけだけど) それは 可愛いね 美人だねと褒められるときより 手を使って創り出した成果を褒められたときのほうが ど…