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道路を挟んだ村のすぐ後ろに山 日毎に深い緑に染まる木々は 梅雨前線のもたらした霧に包まれ まだ開かれていない海の浜辺は 何処からか運ばれてきた砂がまかれ重機で整備されている そういうわけで 幾ら歩いても 貝殻も流木も見つからない 雪のように見えるのは 発泡スチロールの欠片 なにも拾えないと退屈した妹は 打ち上げられた水母を枝ですくっては 波に返して遊んだ 11匹ほど戻したらしい 夏も始まってはいないのに

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