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氷水に檸檬の果汁を零すと ほんのりと白く濁り 爽やかな香りが漂う

子供の頃はかき氷を作るための機械が どの友人の家庭にも一台はあったような気がする 銀色の丸い製氷器は なかなか凍らなかったから 子供ながら苛立っていたもので 祖父母の家の冷凍庫は霜だらけだった 赤や緑の蜜は今でも売っているのだろうか どれも同じ味だったけれど わたしは黄色が好きだった がりがりと削っただけの氷 その冷たい水を思い出しながら 氷水を味わっている