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玄関を入ってすぐ 板張りのホールで 従姉妹たちと冬休みの宿題に出された書初めを書いた 夢 希望 夢 希望 夢 朧げな記憶のなかから よみがえるのは 半紙のうえを走る筆から 漂う墨の香り そして筆を洗う水のつめたさ 洗面台が汚れるからと外にある水道を使って洗うと 手が真っ赤に悴んで とても痛かった それだって今では 可愛げのある思い出なのだった
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