366

明け方 眼が醒めて 暗闇のなかで わたしはひとりだった というのは 至極当然のことであるはずだった

あなたは囁くように話すので 注意深く聞かなければならない 一字一句を逃さないように あなたが呼ぶわたしのなまえを ひとつも聴き逃さないように 人生は一度きりで あなたは あなた以外に存在しえない 昨日のわたしが もう いないように うたかたの快感だけが ちいさな火花のように いつまでも瞬いている あなたがいた部屋の片隅で

いいえ それはわたしの頭のなかのはなしだった 胸のなかには抱えきれないほどの きれいな花 あなたがくれた言葉 永遠に枯れることのないみずみずしい花 それはきっと友愛を糧に咲いている
Remove all ads