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休日 部屋を出て砂ぼこりの舞う大通りを歩いた 陽射しがとても強く つばがそれほどひろくない麦わら帽子では間に合わないほどだ ここらに暮らす人々の多くは 藁で出来た平らな笠をかぶり 若者たちは各々帽子をかぶっている 時代遅れだと人気がないようだが しかし あの伝統的な笠は 合理的で美しい形状をしていると思う 市場へ行けば観光客向けのものが 手に入ると教えられたが 国でかぶることもないであろうからやめてしまった 木陰からはみ出さないように 土壁ぎりぎりを歩いて 博物館へ行った 外国語を話す団体が何組も来ていた 蒼褪めた表情で 汗を拭きながら 彼らは展示物をじっくりと閲覧していた隣で わたしはただただ 悲しかった 後悔をしても 反省することを学ばないで この先も繰り返すのか このときの胸の痛みを忘れてはいけない

帰りに市場で珍しい果物を買った 薄い皮を剥いて囓ると ぬるくて渋みのある水のような果汁が口の中に溢れた