481

空港の高い天井を ぼんやり見上げながら 搭乗アナウンスが流れるのを 待っている ガラス張りの窓は よく磨かれて 外が 滑走路のある草原が 果てしなく続くかのように はるか遠くまで見渡せる はずなのだが 陽が沈んでしまっては 何処までもひろがる闇

前後左右もわからない 本物の闇をわたしは怖れている 行先は崖なのか 背後から呼ぶのは誰なのか 光がひつようだ 暗闇でもよく見える眼よりも もっとあかるい光を