2016-07-27 529 Fiktion 歓声 こどもたちは水の中を はしゃぎまわりながら 夏を呼ぶ 蝉も鳴く 初めて出会ったときはまだ小学生だった男の子が 高校生になって 身長なんかとっくに抜かされてるし 髭だって少し生えてる なのにわたしのこと「何年生?高校生?」だって 一年に一回だもんね 忘れちゃうよね でもそんな齢じゃないんだよ だから水着脱がそうとするのやめなさいって 泳いだあと みんなでご飯を食べて それから映画を観た 陽がくれて 呼ばれた夏がまた帰ってゆく 川縁で葵の花が見送っていた いつまでも