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目的もないのに 新しい言葉を覚えるというのは無駄なのだろうけど 使えなくたって魔法の呪文を覚えるのはわくわくする なにを目指しているのと訊かれても答えられない けれど魔法が使えるようになりたい

言葉を読むことは 口に出して発声するということには しばしば悩まされる わたしの声は小さいし 滑舌もあまりよくないし なにより訛りが酷い それでも 文字を声に出して読むのは 森で摘んできた木苺を 虫や土がついて汚れていないか一粒ずつ点検しながら食べる または誰かに与えるときのように幸せなことで 喜んでもらえると尚のこと嬉しい


そういう気持ちで朗読をしている