2017-12-24 1044 Fiktion 街中を彩る何十万個もの電飾よりも 空へ手を出して伸ばすように枝がひろがったミツマタの木々は 落葉樹の森の中でも極めて美しかった 寂寥の季節 立ったまま眠るように伸びた木立 蔓だけが残った葛 夏には覆い茂る草木で隠れていた社 河の色は翡翠色に澄み渡り 轟々と流れてゆく