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見慣れた景色と頭痛 きっと目を閉じたままでも歩いて帰れる

 

全力疾走したときの胸の苦しさ 鼻の頭が痛む冷えた空気 大した距離でもないのに息が切れて 全然知らないひとが起こした事故のせいで なんとなくサボる言い訳が出来なくなった し そうする理由もなくなった 悪くないよ

 

「いつか 授業にもう間に合わない時間に起きてね 学校に行くの好きじゃなかったし 仕方ないから街を歩いてたときに偶然見つかっちゃったんだけど そう 保護者代わりのあのおばあちゃんにね でも彼女少しも怒らなかったんだ 元気?雪がたくさん降ったわねぇって 学校のはなしとか一切しなくて それでわたし次の日からはちゃんと起きるようにしたんだけどね」