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微睡みの中で「君はみんなのものだから」と男は囁き わたしの髪を撫でてから寝台から離れて浴室へ行った 一体どういうことなのだろう それですっかり眼が覚めてしまい 戻って来てから その意味を問うたけれど曖昧に微笑むだけで何も答えず 床に散らばった衣類を集めると わたしに下着を着せ始めた ガーターベルト ショーツ ブラジャー スリップ 脱がせるときと逆の順番をきちんと守り ストッキングをつけるのは苦手だから自分で履いてほしいと言った

 

この身体 爪先から髪を含めた頭 社会的身分 ぜんぶが預かりもので わたしの主人は姿も知らぬただひとりしかいないというのに