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薄暗い建物から外へ出ると 太陽のまぶしさに目が眩んだ 川べりはもうすっかり夏になっていて 清流を何十匹もの小魚が泳いでいるのが見えた 時折鱗がきらきらとひかる 光と影の対比が強くなり 木々や草叢の葉は一枚一枚がその色を確かに主張し 砂利ですらからからと眩いばかりに散らばっている それは同じ景色であり 二度と戻らない日々であること