1219

ニルゲンドヴォの切り通しは土で埋め立てられ まるで初めからなにも無かったかのように ヴォトカの流れてゆく音とエタノールの香りだけが風にのり漂っていた 森には白黒の羽根をつけた蛾が飛びまわり 小屋の扉のまえでは三匹の鼬がどこからか盗んできた干し肉を食べていたが それはこないだ死んだ鹿だったかもしれない