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帰らなかった子供の齢と 帰らなくなってからの時間がおあいこになって 次の夏からは遠ざかってゆくばかり 歳をとらない写真のなかの子 あの夏の日をまだ覚えていて 忘れることもないだろう 誰もが漠然と助かるに違いないと思っていたのに駄目だった 波打ち際には涙が押し寄せる 来年も 再来年も