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捨て犬を拾ったことなんてないのに あの人の眼差しは 捨てられた犬のようだと思った 視力の良し悪しは知らないけど きれいに澄んでいて 哀しみと絶望が黒い瞳のなかに潜んでいたのだ そういう眼をした青年には何人か出会い それは時は違えど彼らがちょうど20歳になって間もない頃だった