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湖へ行った とても良い天気で雲ひとつない青空が湖との境界線を曖昧にして とけこんでしまっていた わたしと兄は砂浜を歩いて いくつかの貝殻を拾い 投げて また湖のなかへとかえしたり 乾いた流木を踏んでぱきぱきと折れる音を楽しんだりした 途中 砂浜がちいさな湾になっているところで 波打ち際によせる波のなかにきらきらした金色の粉が揺れて見えたので 砂金かしらというと ここらじゃ採れないから別の金属だろうということだった 水に触れるには少し寒すぎたので それが何であったかはわからずじまい