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束の間の寂しさを節度ある友愛で埋める わたしたちは友達なので
性愛抜きの接吻を躊躇うことはない ただ去り際に行うなにかを確認した印のようなもので 乾いた唇を重ねようと何も生まれない
窓の外で強い風が吹く音 そして銀杏の樹がざわめき 葉が幾十枚 幾百枚と雨のように吹き散らされる 黄色のも また少し青さが残るのも 一斉に揺れては吹き散らされる あなたと別れたあと 落ち葉のうえを歩いて帰った