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あなたが傷つくところを見たくないから好きになるのはよしなさい と 言われて 確かにもう二度と立ち直れないかもしれないと思う一方 どうして絶対にそうと言い切れるのだろうと立ち止まってしまった 階段の踊り場で窓の外を伺いながら密やかに紅を差す もう夜の街で咲けるほど若くはない女の顔がガラスに映っている 無茶苦茶な愛のせいで死にそうなくらい傷ついた自分が見たい マゾヒスティックな欲求がふつふつと湧き上がる たぶんわたしは大丈夫 壊れるような恋をして 笑えるほど泣いてみたい でも 孤独に耐えることを覚えて尚も そこまで誰かを愛することが出来るのか知らない