届いたばかりの本を読むのがなんだか惜しかったけれど やっぱり早く読みたくてページをめくると 10年前の友達がそこにいた ほんの少し年を取り 無精髭を生やしていたけれど 小綺麗な格好で 昔と変わらない様子だったのでとても嬉しかった 早くあの子にも知らせないと そう思ったのに 彼はもうこの世にいないのだ なんということだろう 作家の人生の三分の一も生きずに命を絶ってしまったなんて
好きな鳥は?と聞かれて フラミンゴと答えたら え?あ〜そういうの〜 と笑われたけど あんなにピンクで 長い脚で片脚立ちして 意外と嘴と眼光が鋭くてステキな鳥なのに どういう鳥と言えば満足したんだろう 食べるなら鶏とか冗談をとばしたらよかったかな 別に面白くもないけど
海へゆくのが楽しいのは今からなのに 夜は少しずつ長くなる 花火行かへんかぁ と言うので ふざけて 舟から見せてくれんねたら行くわ と答えたら 舟ちゃう 電車や ○○橋すぎる時電車の窓から見るのがええねん と言われた 確かによく見えるだろう 早く帰って桃を冷やして食べたいと思ったので 暗くなるのを待たずに帰った
潔白ではない関係性を証明するための接吻 あなたがわたしを愛さないとき わたしはあなたを愛さないことは真か偽か 一度も心を込めた瞬間などなかったか 暗闇のなかで彼らは好きという 誰に向かって言っているの 不誠実な快楽を求めて でも純粋な欲望ってなに
茹だるような昼を過ごしてなおも続く熱帯夜 あのひとの笑う顔を見て やっぱり 美しいと思った そして愛に溢れた日々が 果てしなく続けばいいと願った