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チェックのブランケットが欲しくなって探していたら まだティーンだった頃はチェックのミニスカートばかり履いていたのを思い出した それから黒いブーツ 残念なのはツィギーのように細くて長い手脚でなかったこと わたしの英語は Sex Pistols からだから すぐにFワードが出てしまう 慎むようにはなったけど 古着屋で とても安く買ったグレースチュワートのような色合いのミニスカートが特に気に入っていた 煙草2箱分くらいの値段だったけれど 本当に可愛かったし ナンシーになったみたいだった 20歳までに死ぬと信じていたし 決めてもいたはずなのに 結局シドのような恋人は出来なかったし 27クラブにも入り損ねてしまった それどころか 家で音楽を聴きながら快適に過ごすための 暖かなブランケットさえ欲しくなっている どうなるかわからないものだ
- アーティスト: Sex Pistols
- 出版社/メーカー: EMI Europe Generic
- 発売日: 1992/10/05
- メディア: CD
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知らない町へ来ている 単線の無人駅から一両編成の汽車に乗り込むと 既に何人かの乗客がいた そのなかに旧い友人がいたので偶然の再会に喜び記念写真を撮ろうとしたのだけど シャッターがどうしても動かなくて 彼はわたしを後ろから抱きかかえたまま眠ってしまった ほんとうは起きていたかもしれない 知らない町から少し離れたところにあるちいさな広場がある中心部のちいさな町にあるちいさな劇場へ行くと 信じられないほどおおきなスクリーンの舞台があったので ふたりでサクランボを食べながら白黒映画を観た 彼はもうすぐぼくの友達が来るから そうしたらちゃんと挨拶をしてねと言った しばらくしてから現れた彼の友人 ー白い麻のスーツを着てやはり白いパナマ帽をかぶり 金縁のめがねをかけたいやらしい顔の若い男ー に教えられたとおり挨拶をした 男は品のない笑い方で 頭からつま先まで舐めるように見て いいのを手に入れたねと言った
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香りが無い花のパルファムに興味がある おそらく花のもつイメージから合成した香りをつくっているのだろう 気になったので百貨店へ試しに行ったけれどそのパルファムは取り扱っていなかった 代わりに勿忘草のものを試したら石鹸に似た香りがして 勿忘草にもそんな香りなんてなかったと思った