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封筒の隙間からこぼれ落ちたのは白い砂だった 灼熱の太陽の陽射しを浴び 群青の波にもまれ ときに海藻と絡みあいながら運ばれた 砂 ではなくちいさな生き物の殻は 今ではもう拾い尽くされてしまったとか まだ秘密の場所にはあるとか 遠い南の島のおとぎ話を聞くような気持ちで手紙を読んだ あなたが何処にいようとも光が溢れていますように