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酷い鬱状態が続き 死ね死ね死ねという言葉が蝉の声のように聞こえていた日 所用で某市へ行き ひとりで夜を過ごさねばならなかった

ほとんど乖離した人格すら衰弱しており 他人の家で刃物を探し出す労力を厭ったが為に自死は免れたが 遠くの街で彼女は死んだ それを知ったのは もっと後のことだったけれど

甕のなかには かたちあるものを入れることが出来ないという 残せるのは 彼女の想い出とか 与えてくれた言葉だとか