2015-06-27 133 Fiktion 酷い鬱状態が続き 死ね死ね死ねという言葉が蝉の声のように聞こえていた日 所用で某市へ行き ひとりで夜を過ごさねばならなかったほとんど乖離した人格すら衰弱しており 他人の家で刃物を探し出す労力を厭ったが為に自死は免れたが 遠くの街で彼女は死んだ それを知ったのは もっと後のことだったけれど甕のなかには かたちあるものを入れることが出来ないという 残せるのは 彼女の想い出とか 与えてくれた言葉だとか