2016-01-15 335 Fiktion 夜の 滑らかに流れてゆく ひかり それは自動車の前照灯であって 星ではない 貨物列車 黙々と走り続ける 臙脂色の車体 北から南へ 流れてゆく それは汽水のように 澱むことなく 流れてゆく いのち 掴むことができない 水のように ぎんいろ 指の間をすり抜けて 何処へ