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雪の溶けない街を歩く 春まで残り続けるのだろう ここらの冬は長くて暗い


河を眺める 淀んだ河は 音を立てながら 濁った水がコンクリートの土留め壁ぎりぎりを流れる 何年か前の夏の夜 身を投げようとして辞めたその河



吸殻を捨てずに ポケットへ片付けた男の子は 今でも黄色い紙たばこを持っているのだろうか 雪のなかに咲く水仙 枯れた蓬と共に