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朝の蒼さを愛していた 肌は白磁のように滑らかに 血は紅く燃え 硝子は透明であった 喧騒の名残を乗せたドイツ車が首都高速道路を走り わたしは助手席で海を探した

波の音や 潮の香りを感じたかったので

 

あなたがいなくても わたしがいなくても 夜は明けるから なにも変わりはしない 写真に遺るあなたは いつまでも若く その瞳から憂いが消えることもない 

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