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西の空は橙色がおぼろげにひろがり 通りもまだ明るく 確かに今日は夏至だった
鉄筋コンクリート製のビルに妖精は現れない 地震のあと現れたのは大きな亀裂だった 階段が落ちてしまったなら どのように逃げればいい 立入禁止になったフロアの生温さ 外の温度を知らないままで夕焼けは沈んでしまった 細い月が浮かんでいる