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15歳 若さと美しさが同時に溢れんばかりの春 どの季節も二度と同じようには流れないとはいえ 人生のうちでも特別な時期 大人にはまだ早いのに とうに第二次性徴を迎えた身体は既に子供らしさを失い 成熟へと向かってゆく15歳 その後の人生を決めてしまうには早すぎるだろうか? 否 生まれた時からある程度はかなり決まっているのだ それでどうこう出来ないこと以外ぜんぶ まだ変えられる 生き急ぐ必要なんてなかった 15歳 わたしは太って醜く 歩けば指をさして嗤われもした 忌々しい学校 保身に徹する教師 禍々しい教室 馬鹿な同級生たち 不恰好な制服を脱ぎ捨てた春休み わたしは卒業アルバムを庭で焼きはしなかった 古紙回収に出したから 15歳 ろくでもない日々が続いても 生きてればそれなりに良いことも あるよ

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