1490

不条理を愛していた男は わたしの掴みどころがないところが好きだと言っていたけれど なにを考えているのかわからないと泣きながら 電話で別れを告げてきた わたしは交差点の横断歩道を渡りながら いいよ と言って電話を切った ふたりで見ることがなかった景色のことをたまに想像する それは未練ではなく ただの想像ということなのだけど

f:id:mrcr:20190316165038j:plain