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柔らかい夜の風 生欠伸 自転車をこいで 桜が咲く山へ行った 暗すぎてほとんど白っぽい雲のようになった満開の花が見えて でも それは本当に花だったのかな 二人乗りして自転車をこぐ彼女の背中に頭をもたげると その髪はとても良い香りがした 第一志望校に行けなかったわたしたちが 最後に過ごした日のことだった