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「ヨソの女が作ったものを食べたくない」というような台詞を聞いたとき 今までもやもやしていた気持ちがはっと晴れたようだった 神経質な性格ではないはずなのだけど なんとなく決まりが悪いというか あまり気が乗らない 何も毒が盛られてるんじゃないかとか ひどく味が悪いのではないかと信用していないわけではない ただ あまり食欲がわかない 持ち寄りパーティーを催すような仲の友人がいなくて良かった 料理はそれなりに出来ると思うけれど 家族以外に食べさせるのも気がひけるし 恋人が美味しいと言ってくれるのは よろこばせるために忖度してるんじゃないかしらと一寸ばかり疑っている 本当は味に自信があるくせに嫌なやつだ