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水無月を買う

夏越しの払えの水無月を頂くため 某百貨店へ向かう 開店後では長蛇の列が出来るので 店が開くのを待って入り 速やかに目的の菓子屋へ行かねばならない この時期京都ならどこでも水無月が手に入るが Sの水無月となれば 他店よりも50円以上高いくせに非常に人気があるのだ

肝心の味だが 実はあんまりわかっていない 美味しいことは美味しいが 食べ比べをしたことがないのだから仕方ない そして 外郎自体は 実は自分で作れる 美味しいとも思わないが それらしいものは誰でも(作ろうと思えば)簡単に作れるのだ それでもわたしは夏が来るたびにSの水無月を買っている 最後尾の看板がひらひらと泳ぐ行列や ひとつ税込227円の味がする 小柄な従業員が狭い店舗内を忙しく動いていること その中のひとりに 実は中学の同級生がいるが 話しかけたことはない クレジットカードを使って支払うので 多分向こうは知っている