1968

あなたがたに信仰は強制しないと男は言った。ただ、心の中に神殿を築けば、神は自ずとそこにお住まいになられると続けた。私がカトリック高校で2年間を過ごした時のことだ。彼が信者だったかは知らない。

その頃わたしは改宗して、どこかの修道院へ入りたいと願っていた。けれども、暗い青春時代だったとはいえ、まだ世の中の楽しみを知りたかったし、成人した頃にはお酒も煙草も好きになったから、諦めた。セックスも好きだった。どうして神様は、生殖活動に快感をもたらしたのだろう?避妊をすることは自然の摂理に反する。それでも、わたしは避妊具をつけて行為に及ぶ。避妊具をつけたまま、あなたの子供が欲しいと叫ぶ。そして、彼は、君を孕ませたいという。とんだ茶番だ。わたしたちは殖えない。わたしたち自身の意志により繁殖を否定する。なんという矛盾。その時、私の心の中の神殿で神は眠っている。ラジオから流れるピアノ曲を聴きながら穏やかに。