2001

今日もあの人が好きだった。どうしようもないのに、好きで、夢の中で一緒にドライブをしていた。現実では私が運転していたけど、夢では彼がハンドルを握っていて、私はそれが怖かった。ひとの運転が苦手なのだ。公共交通機関は良いけど、自家用車の助手席に座るのがなんとなく怖い。昔付き合っていたひとは運転が好きで、マニュアル車を容易く操縦しながらクラシック音楽を爆音で流していた。その時も少しも落ち着かなかった。私が好きなヘヴィメタルを流されていても同じだったと思う。とはいえ自分の運転も酷いものなので、なるべく乗りたくない。夢の中で彼は、無表情のまま山道を走らせていた。彼が笑うところをあまり見たことがないからだ。