1532

こんな夢をみた(聞いた話1/2)

 

汽車に乗り故里の村を目指している 北国の最果てにある終点の駅が最寄り駅であり 一日朝夕二本ではあるが乗り換えなしで行くことが出来るので 座席に座って景色を眺めているうちにうとうとと眠ってしまった

ふと 汽車が大きく揺れたので眼を覚ますと 分岐点で汽車が方向転換をしていた おかしいな 以前はこちらの線に入らなかったのだけれど もしかするとしばらく乗らない内に 迂回するように変わったのかもしれない 周りの乗客も変わらず談笑を続けているので いつものことなのだろう 気にせず微睡んでいると 隣の席にいた老夫婦がなにやらずっしりした紙袋を持っていけとしきりに勧めてくる 有り難く受け取って中を見ると 真っ白に精米された米が入っていた どうりで重たいはずだ

しかしその人々の顔に見覚えがある 随分と昔に死んだ近所のおじいや 隣親戚のおばさん 子供のときに木から落ちて死んだ友達 いったいどういうことだ?

停車したときに駅名を見ようと外を見たら まったく知らない駅名が表示されているではないか 慌てて降りようとしたが 米やら何やら荷物が多くてすぐには立ち上がれない そうこうしてる間に扉は閉まって再び汽車は走り出してしまった