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雨の雫がついた車の窓硝子が 室外の温度差で曇っている 夜のタクシーは繁華街の喧騒を走り抜け 隣に座る彼の横顔はネオンの色に染まる なぜだかわからないけど 大抵の場合 青か緑がかって見えた ワイパーが左右に動くたびフロントガラスについた水滴が集まっては流れた 二度とやってこない夜だと知りながら どう振る舞えば良かったのか 何が正解だったのか 未だにわからない きっとこれからも