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誰かの愛人になった昔の恋人の愚痴をきく月曜日は朝からずっと雨が降っていて わたしは息をするたびに骨が痛むような気がする 時々きゅうっと胸が締め付けられるようになるのは 不整脈のせいか 惚気とも不幸自慢とも言えぬ話を延々聞かされたせいかわからないけれど 日が暮れて尚も 降り続けている五月雨は窓を白く曇らせ 遠くに見える幹線道路を赤い自動車が走り抜けてゆくのが朧げに見えた 冷たい夜がくる