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別れた恋人は マーラーのシンフォニーNo.5を葬儀の時に流して欲しいと言っていたので 彼がもし独りで死んだなら 誰かにそれを伝えなくちゃいけない 私が参列しないとしても 或いは部屋でそれを聴きながら 彼を弔うだろう 楽しかった思い出だけを心に抱いて(実際の彼はとんでもない吝嗇漢だったので しばしば唖然とした)