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ふわふわしているのは麦酒を飲みすぎたせいだろう 水溜りのなかへ足を踏み込んでしまったのに 楽しくて仕方なかった 送り火を見に行った夜に似ている 彼女は朗らかで 清らかで ときどきちょっぴり意地悪だった それは女子校育ちの女特有の湿り気で その湿度がわたしには心地よかった シャワーで濡れた髪が 雨でまた濡れて 彼は石鹸の香りをさせながら家へ帰るだろう 捨てられなかった夜のことは どこへ忘れてきたら良い