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息苦しさのことをしばし考える。わたしは今、かなり自由だ。街を歩いても、急に警察官に取り押さえられることはないし、家にいて突然連行されることもない。そのままどこかへ連れて行かれて、よくわからないまま銃殺刑に遭うこともなければ、知らない寒いところで土を掘っては埋めることを夜明けから日没まで強制されることもない。自由だ。働けば賃金がもらえる。税金はかなり多い。生きているだけで、働いただけで、稼いだお金でものを買っただけで罰金のように徴収されていく。贅沢をしなければ暮らしは悪くない。子供がいたとすれば、途端に苦しくなるだろう。そう思うと、子供を産み育てることは、たいへんな贅沢になってしまった。山の中で自給自足の生活を送り、日々を祈ることだけに捧げたなら?まさか、資本主義の豚には真似できることではない。わたしは鍬も斧も握ったことがないから、すぐに飢えて死ぬのだろう。まったく、いやなほど無駄なことだ!