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街からヴォトカが消えた なにも飲むことを禁じられたわけではなく 恐ろしいほどの悪意を持った人間がすべて買い占め それから密売した利益で築いた財産で ヴォトカ工場を奪い 瓶を作る硝子工場も乗っ取ったからだった 強烈な悪意はしかし ちいさな火花から引火し ある夜 工場は爆発した 幸いにも労働者たちは 各々の貧しい家へ帰ったあとで誰もいなかった 趣味の悪い調度品を揃えた邸宅と共に成金の蝮は焼け死んで

それからもう一年経つらしい